和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたのは2013年。
日本の食文化が世界で認められるのは本当に素晴らしいですし、それがインバウンドでは強みとなります。
そして、世界的にも健康意識と環境保護への関心が高まり、ベジタリアンやヴィーガンと呼ばれる菜食中心の人が増えています。そのためか、海外、特にアメリカでは和食がとても人気です。
ところが、戦前・戦中・戦後すぐは肉や魚を食べる機会が少なかったものの、今やハンバーグやステーキ、和食でも肉・魚を食すことが多いのが日本の現状。
ベジタリアン、ヴィーガンは何を食べるのか?

ベジタリアンやヴィーガンですが、食事を制限する理由については健康のためだけでなく他にも様々あります。
それは、宗教・思想等です。宗教上ではその宗派により禁じられている食材は異なりますし、思想では動物を殺すことや環境汚染に反対の人もいます。
日本ベジタリアン協会によると、欧米では一般的に、ベジタリアンを次のように分類します。
●ラクト・ベジタリアン
「ラクト」は乳、乳製品のことです。肉・魚・卵は食べませんが、乳製品は食べます。
●ラクト・オボ・ベジタリアン
この用語はラテン語で牛乳を意味する Lac と、卵を意味する Ovum に英語の Vegetarian を付けた混成語で、牛乳と卵を許容する菜食主義者だと定義付けています。肉・魚は食べませんが、卵・乳製品は食べます。欧米のベジタリアンの大半がこのタイプだそうです。
●ヴィーガン(ビーガン)
ピュア・ベジタリアンとも言い、すべての動物性食材を避けます。それだけではなく、食べるもの以外に関しても動物性を使用しないことで、動物を苦しめたり搾取したりしないようにする生き方と言えます。
一般的には、「ベジタリアン」といえば肉・魚は食さないが、卵・乳製品は食べる人(=ラクト・オボ・ベジタリアン)を指すことが多く、「ヴィーガン」というと卵・乳製品も使っていない、完全菜食の食べ物や、それを食べる人を指すようです。
日本食はどう変わる?
私のジャマイカ人の友人は、宗教上の理由で鶏肉以外の肉は食べません。
その彼女が私に言ったのですが、「サラダであれば安心して食べられると思ったけれど、サラダにカリカリのベーコンが乗ってくるのよ、日本は!!」とちょっと怒り気味で話していました。彼女と一緒に中華料理店に行った場合は、メニューを選ぶのにかなり時間を要します。
このように、食事の制限がある場合、外食では非常に困った状況が多いそうで、これは多くの欧米人が日本に来て思うことなのではないでしょうか。
そんな中、植物由来のタンパク質で代替肉の開発が進められているようです。
アメリカではビヨンドミート社や、インポッシッブルミート社等が代替肉を開発し、近年売上を伸ばしています。
アメリカには約2,000万人のベジタリアンがいるらしいですし、他の欧米諸国もかなりの数が予想されます。代替の食材を使っての対応は、今から必須なのではないでしょうか。
この他、意外に見落としなのが、インスタントラーメンやお菓子なのです。というのも、インスタントラーメンやお菓子の成分を見るとポークエキス等が入っているので、食べられないと言います。お土産に勧めようと思ったら、内容成分をしっかり確認する必要があります。
ということで、今後、コロナ禍が収束しインバウンドの状況が改善した時のために、準備が必要なのではないでしょうか。今後の日本の対応が、注目されますね。
それでは、今日も良い1日を。
Cheers!(じゃあね)